Wonder 2










兎・・?
しかも時間を気にしている?
まさか此処はアリスの世界やったりしてしまうんか?
しかし可愛い子ぉやったなぁ・・
よし、どうせならあの子に訊いてみよ



忍足は兎を追いかけた。
しかしすばしっこくてなかなか追い付けない。
そこで後ろから声を張り上げた。
「ちょっと其処のうさぎちゃん!話ええかぁ?」
兎は長い耳に響いたのかやけに吃驚して振り向いた。
怪訝そうな顔でこちらを見ている。
改めて見るとその顔にはどうやら見覚えがある気がしたが忍足はさほど気に止めなかった。

「待ってぇな。ナンパとちゃうで。俺道迷ってんねんやん?ちょっと此処が何処かとか教えてくれへん?」
か弱い兎を怯えさせないように優しく言ったつもりだった。
しかし兎は警戒心をまるで解いていない。
それどころか少し怖がっているようだ。
初対面の人間には声が低過ぎて怖がられる事があったと思い当たったがわざと高くしても気持ちが悪いだけになりそうなので諦めた。
忍足が近付いた分だけ兎も下がっていくのでなかなか距離が縮まらない。
少し睨むような上目遣いで見上げた兎は「・・・俺急いでるから・・」と言うと走り出した。
この場合逃げ出した・・・
という方が正しいのだろうか?

「俺とか聞こえた気がするけど・・・・何や男勝りな子か?」
そんな事をチラリと思ったがそんな余裕は無いと忍足は再び兎を追いかけ始めた。

「ちょぉ待ちや!」
そんな言葉をかけながら走るが兎は一向に止まる気配は無い。
景色がどんどん加速していってどんな場所を走っているのか判らなくなってきた。

兎はどんどん小さくなり、気が付くと地平線が見えていた。
その一部に盛り上がった部分があり、それがまた森である事がわかった。
近付いていくと一際大きな木が立っているのが見えた。
紫とも緑ともつかない妙な色の太い幹に木枠の窓がいくつも付いている。
此処にあの兎はいるのだろうか。
そうでなかったとしても誰かがいるに違いない。
忍足は木の周囲を回ってドアを探す事にした。










Hey!Wait!!

                                            There is a promise.

          















勢いよく開けられた後、意識してゆっくり閉められた扉。
その音に帽子を何層にも重ねてかぶった人物がそちらを見る。
「お待ちしていましたよ、兎さん」
この家の主、帽子屋は口元に控え目な笑みを浮かべてポットに手をかけた。
その中で鼠が昼寝をしていたが帽子屋は構わず湯を注いだ。
「随分急いで来られたようですね?」
息を切らしている兎を目をしばたきながら見る。
「変な奴に追いかけられてたんだ」
顔には出さなかったが帽子屋は自分の腹の底にどす黒い物がこびり付いていくのを感じた。
「それは・・・・・・・どんな・・・・?」
極力怒りを声に乗せないように気を付けて言う。
「うーん・・・背が高くて眼鏡かけてて・・髪が彼方此方にピンピン出てた」
帽子屋は何かを考えながら足先で床を数度叩く。
そして次に口を開く前に先程兎が入ってきたのと同じ扉が開かれた。
「……お客さんですか?」
帽子屋が静かに言ったのと同時に兎は帽子屋の影に隠れた。
日吉は兎の様子を背で感じて、ゆっくりと先程の話の内容と照らし合わせた。
そして予定外の訪問者の丁度兎の髪と対になるような紺の髪をチラチラと見るとようやく眼鏡の奥に視線を合わせる。
「なるほど貴方が私の兎を追い掛け回してたんですね?」
帽子屋の米神が引き攣った気がして頼るべくも無い”アリス”は少し背に汗をかいた。
第一声よりも数段声が低くなったと言う事もあり。
「いや・・・俺迷子で……ホンマやねんよ・・それで道訊こうと思っただけなんやて」
苦笑しながらそう言っても疑いの眼差しを向けられるだけだった。
忍足はまたも緩慢な沈黙が訪れる気配に耐えられなくて関係の無い話を持ち出した。
「ええ服着てるやん。よぉにおてる‥」
「そんな言葉で誤魔化せるとでも思っているのか?」
最初の静かな口調がガラリと変わった。
『コイツ…ちょっとヤバいんちゃう・・?』
忍足は帽子屋の二重人格を疑った。

「ええと………要するに……まぁどうせなら可愛い女の子に道聞いた方がいいかななんて気持ちが無かった訳ちゃう。
そこは認めるけどどうも俺はいきなり妙な所に来てもうたみたいで…つまり漫画とかでいう別次元とかそういう類の
もんとしか考えられんで…それでこの子がどうやら次元やら何やらの移動が出来るんちゃうかと踏んでやな………?」
忍足は正直に話してしまおうと思ったが帽子屋と兎が固まったのに気付いて口を止めた。
帽子屋は兎の反応を見て怪しい訪問者が彼を傷付けたと感じ忍足を睨み付ける。

「も……しかして‥‥‥お・・・男の子なん!!?」
忍足は愕然とした。
確かに兎は女の子と思われても仕方の無い顔立ち、髪型、身長である。
しかし帽子屋のこの溺愛ぶりは何だろう。
確かに可愛いけどどうなんやろう??
忍足は悩んだ。
しかし漠然とこういう愛もありかもしらんと納得した。

「やっぱり変だと思ってるんだ・・」
兎は泣きそうだ。
「いや別に…ちゃうて…」
忍足は先程思った事をそのまま伝えようかと考えたが帽子屋の殺気立った目に阻まれた。
「今すぐ帰ってくれませんか?道なら教えますから」
有無を言わせないような帽子屋の言い方に忍足も流石に頭にきて言う。
「あんたらも決め付けやで。俺は気持ち悪いとも間違ってるとも思わんよ」
少し怒った口調ではっきりと言った忍足に帽子屋は眉を顰めてばつの悪そうな顔をしている。
兎が帽子屋の後ろから忍足の顔をおそるおそる覗くと忍足も困ったように雰囲気を和らげた。










continue















***

凄いブランクがあります;
自分の気分ややる気で結構いい加減にハンパな進め方をしてしまうんでちょっと反省です…;(ちょっと!?)
まぁ個人のサイトですしねー……(苦笑)
誰に咎められる訳でもないと思うんですがまぁ骨組みは一応出来てるんでこのまま最後まで行けると良いんですが。
最初から5話って決まってますからね。
後は粗筋に細かく付け足していけば良いんですが……
ま………ハッキリ言って無理矢理…と。
あくまで素人技です。(当たり前だ)
いつか長くて意味があってしっかりしてて面白いのが書けたら……
まぁ、練習ですわ要するに。
今は岳人攻の気分なんでギャップあるんですよね。
あくまで性格が攻…なんですが凄い受じゃないすかこの岳人!
つれない所はあれど……
忍足が主役だけど日吉と岳人をもっと活躍させたいなって気分になってきました。
この話が一番日吉率高いと思います。
と言うか…性格間違ってると思います。(……………)








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