※ややギャグ。柳の祖父が出てきますが性格が………








Santa Claus is a sweetheart





12月になったある日、祖父に呼ばれた柳蓮二は思いもかけない依頼を受けて驚いた。
「蓮二、今年からお前がサンタクロースをやってくれんか?」
「は…!?今年は恋人と過ごすのに!!せっかくゆっくりしようと…!」
柳は今まで恋愛に興味が持てず告白されても流していたのだが初めて付き合いたいと思う相手が出来て自分から告白したのだった。
相手の方も柳の事が気になっていたようで初めての告白は成功した。
そうして今年出来た可愛い恋人と過ごす計画を綿密に立てている最中だったので当然の反抗だ。
「どうせヤラシイ事するだけじゃろ。そんな体力あるなら年寄りを労わらんか!」
「勝手に公認サンタになったんだ!嫌なら止めればいいだろう?」
結構大事な部分を否定するのを忘れて、柳はとにかく断る為の理由を探した。
「今の時代には夢が必要なんじゃ!」
祖父は以前からやたらと夢がどうの世界がどうのとよく言った。
しかし柳は不特定多数の幸せよりも自分にとって大切な人が幸せである事の方が余程重要だという考えなので理解出来ない。
「絶対に嫌だ!大体サンタクロースは年寄りと相場が決まってるだろう!?」
「これ以上老体に鞭打たせようっちゅ〜んか、ひどい孫じゃ〜〜〜!!」
柳は大きな声でわめき出した祖父に唖然とした。
そして何とか止めなくてはと思い、老人の駄々に嫌気がした事もあって柳はつい了承してしまった。
「わかった!俺が行く!!」



「弦一郎………24日は暇だったり…しないか……?」
冬休みが始まってからの部活で真田に一応訊いてみた柳だが返答は99%わかっていた。
「幸村の所に行くつもりだが、何かあるのか?」
「いや………」
柳は歯切れ悪く言ったが真田は気付かない。
「そうか」
あっさり終わってしまった会話に柳は内心「ちょっとは気を使え」と思ったが真田に言ってもあらゆる意味で仕方が無いので止めた。
柳生もおそらく暇などと言う事は無いだろう。
しかし他の者に任せるのも不安だ。
柳は代わりを探すのを止めて赤也に話しかけた。
「やはり無理のようだ…」
「そうスか………」
「本当にすまない…」
柳の恋人の赤也は、わかったと言ったものの悲しそうだった。
「クリスマスは……?」
「ああ…25日は大丈夫だ…」
柳は赤也の頭を抱え込むようにして撫でながら優しく言うと額に口付けた。
「プリッ。堂々としすぎじゃ」
「仁王君、拗ねるんじゃありません。しかし柳君も好きな人には甘いのですね」
柳生は微笑ましいといった顔で柳と赤也を見た。



「ほれ、お前に合わせて作った制服」
祖父に渡された赤い服を見て柳は溜め息を吐いた。
「まさかとは思っていたが…こんな格好までしなくてはならないのか…?」
「そうじゃ。これが一種の信頼の証に…」
「はいはい」
自分の部屋に行ってのろのろと“制服”に着替えているとふと机の上の箱に目が留まった。
赤也の為に用意した物だった。
しかし今はサンタクロースとして行くのだからその時のプレゼントは祖父に渡された物の中に入っている筈だ。
『一度家に帰ってまた取りに来るべきか…』
迷いながらも手は止めずに柳は派手な制服を隠す為にも上からコートを着た。
「何だか怪しく見えないか……?しかし数の割に袋は大きくないな」
自分の姿を気にしながら呟くと祖父は静かに言った。
「最近の子は小さくて高い物が好きなんじゃ…」
「‥そんな奴に夢は要らないんじゃないか………?」
柳は微妙な間の後に口を開いたが祖父は再び強引に押し付けた時の勢いを取り戻して叫んだ。
「いや、こんな時代だからこそ!子供達に夢を与える、それが使命…」
「出る」
話を遮って柳は出発した。

柳がリストを見て最も近い家を探すと其処は真田邸だった。
真田邸に辿り着いた柳は呼び鈴を鳴らした。
サンタと言えども不法侵入をする訳にはいかないのである。
証明書を出して判子を貰うと柳は目的の部屋に入った。
きっちり布団をかぶって真っ直ぐに眠っている。
その顔は眠っていてもやはりあどけなさとは無縁だった。
「弦一郎は顔で判断すればサンタクロースにプレゼントを貰えない確率100%……」
そう言いながら枕の横にプレゼントを置き、真田邸を後にした。
「次は……………このリストはまさかうちのテニス部員の………?」
幾つも記憶している名前を見つけて柳は呟いた。
祖父の考える事は理解出来るようで出来ないようで何とも言えない。
地図を見ながら順調にオプション付の配達をこなしていく。
「柳生は流石だったが…『日常に使える法律に引っ掛からない(小)詐欺辞典』………何に使うつもりだ…仁王………」
こんな物をプレゼントして良いのかと思いつつ、簡素にラッピングされた本を仁王の枕元に置く。
一番大きい箱はブン太の物で、中身は見なくてもわかった。



日付は変わって午前4時半を回った頃、柳は封筒から鍵を取り出した。
それで家に入り、最後の部屋に入った。
「ふう…何とか終わりそうだな……」
ベッドの脇にそっと歩み寄ると寝顔が見える。
袋から最後の箱を取り出すとちゃんと用意してある靴下の中に入れた。
すぐに帰る気になれず膝を付いてベッドに凭れかかるとそれを眺めながら癖のある髪に指を絡ませた。
腕の下にある布団の柔らかさに眠気が襲ってくる。
『明日は大丈夫だろうか…………いや、今日だったな…もう………』

赤也はふと目を覚ました。
すぐ傍に気配を感じて驚いたがすぐよく見知った人物であると気付いて安心する。
彼なら決して自ら選ばないような鮮やかな赤い服は何処かで見たようなデザインだ。
「柳先輩…」
赤也はごろんと転がってうつ伏せになると頭を指で突付いてみたが起きる様子は無い。
次に頬を突付いてついでにちょっと引っ張ってみたがやはり起きない。
ベッドの上で立ち上がると上から柳の脇に手を引っ掛けて後ろに思い切り体重をかけた。
「うーん……重い………」
必死で柳をベッドの上に引き上げると満足の溜め息を吐き、その横で赤也は再び眠りについた。



「赤也…?」
目覚めると彼が抱き締めてくれていて、心地良く感じつつ同時に自分の失態を知った。
「サンタクロース失格だな……(無理矢理やらされたんだが)」
『そう言えば俺のプレゼントはどうなっているんだ………?』
ふと疑問が過ぎったが目の前の赤也を見るとまぁ良いかと思える。
もう完璧にバレてしまったろうしゆっくり眠りたい。
部屋は薄明るくなっていたが心配は無かった。
当分この家の中にいるのは赤也だけだからだ。
結局少し予定が遅れただけという形になった。
「あれ?また寝ちゃうの?」
目の前から発せられた声に意識を引き戻されて柳は頭を持ち上げた。
「起きていたのか………プレゼント見たか?」
上体を起こすとベッドの脇を指して柳が言うと赤也は笑顔を作った。
「それは俺が頼んだから中身知ってるやつでしょ?」
サンタクロースとしてではなく恋人としてのプレゼントの事を言っているのだと理解してコートのポケットに入れた物を
取りに行こうとすると赤也が柳を止めた。
「プレゼント、確かに戴きましたよ、サンタさん」
赤也は柳に先程より更に強く抱き付いて頬にキスをした。
「…俺でいいのか?」
柳が内心感動しつつゆっくりと言うが赤也は即答でその感動を消し去った。
「用意してあるんなら下さい」
柳は暫し自分の胸に着く位前に差し出された両手を見つめた。
「やれやれ…」
素直に可愛いと言い難い笑顔に柳は苦笑しつつも起き上がって、やはり愛しい手の上に綺麗な箱を乗せた。
それは勿論柳が買った物で結局持って行く事にしたのだった。
その判断が正しかった事を柳は知る。
「所で、俺へのプレゼントは何だろうな?」
「サンタクロースがプレゼント貰うなんて聞いた事ないっスよ?」
赤也がニヤニヤと笑った。
すると柳は赤い服を脱ぎ始め、赤也は顔を赤くしながらなす術も無くそれを見守った。
「これでもうサンタクロースじゃない」
服を脱ぎ捨てると柳は赤也のいるベッドの上に乗り上げる。
赤也は今度は蒼くなってベッドの上で後退するがあっと言う間に壁に追い詰められてしまった。

新任サンタは恋人の家でクリスマスをゆっくり過ごしたそうだ。








END










間に合わないと焦り急いで仕上げました;
出すかわかりませんが裏バージョンは柳が不良で行動も言葉遣いも乱暴で強姦でもっと無茶苦茶です…。
公認のサンタというのはどうやらいるらしいんですがプレゼントは配りませんよね?
ちゃんと見れば良かった;
でも手紙を書くってのはあったと思いますよ。
何気なくフリーです。





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